桜の季節に・・・・。君に伝えたいことがあるんだ・・・・。きっといつか届くと信じてる・・・・・。 だから もう少しこのままでいさせてほしい。 桜の季節に・・・・。 この季節がきたんだ・・・・。また、あのことを思い出す。元気でしてるかなぁ。あいつ・・・・。 定期入れの中の2人の写真を懐かしそうに見つめる。 何度、この季節が巡ってくれば、私はあなたのことが忘れられるのだろう。 瞳を閉じれば 懐かしいあの日に帰れるかもしれない。 翠 17歳 高校2年の春 クラスメートに恋をした。 愛しの彼の名前は『純一』友達以外のなにものでもなかった。 放課後のグランドで、日に焼けたあなたはサッカーボールを追いかけていた。 夕日に照らされた純一の横顔に思わずみとれて立ち尽くした。 「翠~っ。早く着替えて帰ろう」 友達の言葉に一気に現実に引き戻される。 「ごめんね、今行くから・・・。」 部室に駆け足で戻り、ジャージから制服に着替える。 着替えをしながら友達の涼が話しかけてくる。 「さっき また見とれてたでしょう?」 「うん。 なんかいいなぁとおもちゃった」 「好きなんじゃない?彼のこと」 「まさかねぇ。憧れだよ。」 「そーゆう風には、見えなかったけど。」 「もう、本当に憧れのなにものでもないんだって。それに友達だし」 このときは、本当に友達以外のなにものでもなかった。 時々は、一緒に帰ったり、教室でふざけあったりごくごく普通の学生生活だった。 いつも通り部活が終わり、帰ろうとしたとき英語の課題を忘れているのに気がついた。涼は今日用事があるので早く帰りたがってた。 「ごめん、涼。忘れ物したから教室によって帰るから先に帰ってて」 「うん。今日は急ぐからごめんね」 涼と別れ教室に1人で向かった。 勢いよく開けた教室のドア そこには机の上にすわり外を眺める純一の姿があった。 「なんだ・・・。翠かよ。忘れ物?」 「うん。英語の課題忘れちゃって・・・。」 「今から帰るの?」 「そうだけど・・・・。」 「じゃぁ、一緒に帰んない?」 「いいけど・・・。」 一緒に帰ったことは何度かあるけど、こんなにまともに帰ろうと誘われたことないじゃん。 なに話したらいいわけ・・・・。 夕暮れに、2つ並ぶ長い影。 大きいほうが純一で、小さいほうが私だ。 影の2人はくっついていて、実際の私たちは少し距離がある。 少し後ろを歩く私。 片手に鞄を持って先を歩く純一。 いつもの分かれ道、純一はまっすぐに私は右にそれぞれの家がある。 純一の家に続く道には、両側に桜が植えてあり今日は、満開で花びらも舞っていた。 「綺麗だね。花びらが雪みたいに舞ってる。」 「この季節が1番綺麗かな。ここは・・・。」 「純一 桜ってはかないよね。咲いてもすぐに風に舞って散ってしまうから」 私は、自分の手のひらに舞い落ちる花びらをみながらつぶやいた。 そのとき、後ろから優しく抱きしめられた。 「純一・・・・。」 「ごめん。少しこのままでいさせて。」 きっと、少しの時間だったんだろうけど私にはとてつもなく長い時間に感じられた。高鳴る鼓動、眩暈さえ起こしてしまいそうだった。 「翠、オレさぁ お前のこと 好きだわぁ・・・・。」 「えっ・・・・。」 友達が彼氏にかわる瞬間だった。 顔が見れない。憧れのままでいいと思った純一が私を抱きしめている。 好きだと言ってくれている。 「ありがとう。」 満開の桜が2人を包んでいる。ひらひらと舞い散る花びらがいつまでも2人を祝福し続けた・・・・。 純一は、私の額にそっとキスをした。 《あとがき》 う~ん。テンポ作るの難しい。作家さんって想像以上に妄想の世界をつくれないとダメかも。 駄文でごめんなさい。 1度でいいから、こんな告白されたかったなぁ。 ジャンル別一覧
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